特定商取引法

みなさん、こんにちは。弁護士の田鍋です。

特定商取引法という法律をご存じでしょうか。
この法律は、消費者トラブルを生じやすい特定の取引形態について、取引の適正化を図るため業者の「行為規制」やクーリング・オフ等を定めています。今回はこの法律に関連することについてお話をします。

クーリング・オフ

クーリング・オフはご存じの方が多いと思います。

販売の類型には、
①訪問販売、
②通信販売、
③電話勧誘販売、
④連鎖販売取引、
⑤特定継続的役務提供、
⑥業務提供誘引販売取引、
⑦訪問購入形態

があります。

①はキャッチセールス、
②はインターネット等で広告し、郵便、電話等の申し込み(③を除く)、
③は電話等で勧誘する行為、
④販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務の取引、
⑤エステティックサロン、語学教室など7つの役務、
⑥は商品等を売って金銭負担を負わせる取引

などの取引となります。

さて、あなたの会社、あるいはあなたはどのような取引形態をされていますか。ネットを通じた勧誘だと、②通信販売にあたりますが、これに該当した場合、どのような規制があるか、また、その理由などはご存じでしょうか。特定商取引法は、① 行政規制、② 民事ルールを定めているため、特定の取引形態に該当する場合、行政規制を遵守し、民事ルールに従った、取引条件を定める必要があります。

特定商取引法が適用される通信販売

特定商取引法が適用される通信販売は、一般的に新聞、雑誌、テレビ、インターネット上のホームページなどの広告、ダイレクトメール、チラシ等を見た一般消費者が、郵便、電話、ファックス、インターネット等で購入の申込みを行う取引となります。(「電話勧誘販売」は除きます。)

オンライン上の取引が増えていることによれば、通信販売に該当するケースは多いと思いますが、該当するとどうなるか、皆さんご存じですか?

大きく整理すると、以下の行政規制があります。
①広告の表示規制(法第11条)
②誇大広告等の禁止(法第12条)
③未承諾者に対する電子メール広告の提供の禁止(法第12条の3、12条の4)
④未承諾者に対するファクシミリ広告の提供の禁止(法第12条の5)
⑤前払式通信販売の承諾等の通知(法第13条)
⑥契約解除に伴う債務不履行の禁止(法第14条)
⑦顧客の意に反して契約の申込みをさせようとする行為の禁止(法第14条)

たくさんの行政規制が定められていますが、これらの項目を見て、あなたが扱う通信販売では、規制を満たせているでしょうか?

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。適正な事業活動を行いながら、消費者の権利利益を保護する活動を展開してほしいと思います。

誇大広告等の禁止

特定商取引法12条の誇大広告等の禁止についてご案内します。

12条は、簡単に述べると、商品、サービスについて、虚偽の内容や消費者を誤認させるような広告は禁止する、という内容を定めています。これに違反すると、業務停止命令や刑罰を受ける場合があります。

さて、どのような場合に違反となるか、ネット上の取引に鑑みると、

①「主務省令で定める事項」について
②「著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」すること

の2つの要件に該当する場合となります。

では、①「主務省令で定める事項」を見ると、
1号:商品・役務・権利の種類、性能、品質、効能効果等の内容
2号:商品・役務等の事業者の行う事業についての国等の関与
3号:商品の原産地、製造地、商標又は製造者名
4号:特商法第11条各号に掲げる事項

よく問題となる表示としては、1号の例としては健康食品の成分、エステなどの具体的な施術やダイエット商品等健康食品による体重減少等の有無程度、家庭教師による成績の向上等などが問題になりやすいと言えます。

2号の例としては、「●●省認定」「芸能人●●も使う」などになります。特に1号の品質、効能、効果等については、注意が必要だと思いますので、表示されるときには、今一度確認検討されるほうがよいでしょう。

インターネット販売の注意点

特定商取引法第14条第1項第2号で、販売業者等が顧客の意思に反して、インターネットを通じて、契約の申込みをさせようとした場合、禁止される行為をご案内します。

ポイントは二つです。

①顧客がネット上操作する際に、申込であることを容易に認識できる表示か否か。
②顧客が申込内容を、容易に、確認し及び訂正できるようしているか否か。

まず、①としては、例えば、ネット上で、申込みの最終段階まで進んだ際に、「注文内容の確認」といった表題の画面(いわゆる最終確認画面)が必ず表示されて、その画面上で「この内容で注文を確定する」といった表示のあるボタンをクリックしてはじめて申込みになる場合などの設定がされている場合には、一般消費者は、それが「申し込み」であることを誤認していないといえます。

次に、②では、例えば、申込みの最終段階の画面上で申込み内容が表示され、そこで、「変更」「取消し」といったボタンも用意され、そのボタンをクリックすることにより訂正ができるようになっている場合などにおいては、一般消費者は、申込内容を確認、訂正できるようになっており誤認しないといえます。

このように、特商法では、インターネット上の申込を受ける場合には、消費者が、

①申込をしていることを認識できるようにしているか。
②申込を認識し、かつ、確認・訂正ができるようにしているか。

を措置対象にしています。インターネット上の申込を受けようとする場合には、上記の内容に留意をして行うようしてください。

特定商取引法でもしわからないことがあれば、ぜひ一度ご相談をしてみてください。

(田鍋、編集 中路)

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